かつての恋人を捜しに、北海道から東京へとやってきた大男(プロレスラー・武藤敬司の映画初出演)が、怪しげなクラブ・オーナー(すまけい)に拾われ、やがてそこの歌姫(秋吉満ちる)と恋に落ちていく。一方、その恋人(安田成美)はオーナーの愛人となっていたのだが…。 『台風クラブ』のヤングシネマ大賞を受賞した相米慎二監督が、その際の助成金をもとに撮り上げたラブ・ファンタジー。相米監督は、ところどころオペラ的演出を施したり、これまでの持ち味でもあった長回し撮影のみならずカットを割ったシーンも若干見せながら、従来の作品群とは一味違う魅力を描出することに成功している。またそれを受けての三枝成章(現・成彰)による華麗かつ叙情的音楽の数々も、この不可思議な愛と闘いの映画を壮大に彩ってくれている。(的田也寸志)
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